パンチラ
今日は風がいやに強い。洗濯したばかりのシーツを伸ばしながら、物干し竿に引っ掛ける。ぱん! と気持ちのいい音を立てて白い布が広がった。
空は快晴。絶好の洗濯日和である。
「主、終わったぞ」
「ありがとうございます」
縁側に座りこんで日向ぼっこをしていた審神者に声を掛ければ、礼とともに微笑まれた。風に揺れた前髪が額にかかっている。邪魔そうだと思って手を伸ばすとふと視界に白いものが映って、思わず「あ」と声が漏れる。それを不思議に思ったのか、審神者はぱちりと瞬きをした。
「どうかしましたか?」
肩にかけた布が強風にあおられる。山姥切はばたばたとはためく布を押さえながら言った。
「主、パンツが見えてるぞ」
「えっ!?」
審神者は慌てて裾を引っ張るが、時すでに遅し。しっかりと目に焼き付けてしまった。
「やだ……!」
「そんな顔を赤くするな。かわいいだけだ」
「……み、見ましたよね?」
顔を真っ赤にしてうつむく彼女に、もちろん見たと言えばどうなるのだろうか。少しだけ興味がわいた。
「ああ、しっかり見えたぞ。白のレースだったな」
「もう……! そういうことは言わないでください……!」
両手で顔を覆うしぐさが愛らしい。「恥ずかしさで死んでしまいます……!」などと呟いている。
「そんなことで死ぬな」
苦笑しながら言う。
「あんたの下着など見慣れたものだ」
「……なんてことを言うんですか」
「本当のことだろう」
「もう知りません」
ぷいっとそっぽを向かれてしまう。怒らせてしまったようだが、それでも頬が赤いままなのは怒りからくるものだけではないだろう。山姥切は小さく笑ってそっと審神者の頭を撫ぜた。