姥さにつめ #2 - 2/11

 

 舌を見ることで体の不調がわかるらしい。それを薬研から聞いた山姥切は早速不安を取り除くべく、審神者の部屋を訪れた。彼女はちょうど仕事を終えたところらしく、山姥切を部屋に迎え入れるとお茶を淹れてくれた。
 湯呑みを手に取って一口飲む。熱すぎずぬる過ぎない適温で飲みやすい。ほうと息をつくと審神者は嬉しそうに微笑んだ。
「今日はどうしたんですか? 山姥切くん」
 その問いに山姥切は自分の口内を見せながら答えた。
「体調を知りたい」
 審神者は山姥切の口元に顔を近づけじっと観察する。それから少し考える素振りを見せてから口を開いた。
「山姥切くんの口の中は健康そのものですよ」
「そうか」
 安堵のため息をつきながら、審神者の口元をじっと見つめる。彼女の体調はどうなのだろう。気になって口を開けて見せてくれと言えば、審神者が不思議そうな顔をしながら口を開いた。だが、よく見えない。舌を出してほしいと頼めば審神者が躊躇いながらも、べっと赤いそれを出した。
その赤さに山姥切の心臓がどくりと跳ねた。
「ど、どうでしたか?」
 舌を引っ込めて首を傾げる彼女はどこか恥ずかしそうだ。
「……いいと思うぞ」と太鼓判を押すと審神者はほっとしたように笑った。

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