腕枕
「あの……重くありません?」
審神者が不安そうに尋ねてくるので、「全然」と即答する。嘘ではない。安心させるつもりで抱き寄せたところ、彼女もまたそろりとこちらに身を寄せてきた。こうして寄り添っている方がずっと温かいし、幸せなのだ。彼女は俺よりも体温が低いから尚更だろう。
ふわりとした柔らかな髪が顎先に触れるとくすぐったくて少し身を捩ってしまう。彼女はそんなことお構いなしに、甘える猫みたいにして頭をすりつけてきた。
可愛いなと思いながら頭をゆっくり撫でる。普段の彼女はどちらかといえば犬みたいなんだけどな、とぼんやり考えつつ何度も繰り返しているうちに、そのうち寝息を立て始めた。穏やかなそれに眠気が移ってくるようで俺のまぶたも重たくなっていく。
「おやすみ」
囁きはきっと届いていないだろうが構わなかった。彼女が起きたとき、最初に目にするのが俺であればいい。今はそれだけでいいのだ。