長義さにつめ - 5/5

I love you

 

 雫がぽつりとこぼれ落ちたように、密やかな部屋に主の静かな声が響いて聞こえた。
……何よりも、貴方の幸せを願います」
 秘めていた気持ちを告げた俺に対しての、主の返事だった。精一杯といった様子の彼女は頬を朱に染めている。小さな声ながら丁寧に紡がれた彼女の言葉に、胸の底から言い知れない思いが込み上がる。
「そう思ってくれるのなら、俺の隣にいてくれ」
 細い手首を掴んで、その体を抱き寄せた。

 

2021/08/22
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https://shindanmaker.com/730931 より