ぬくぬく
本格的な冬がやってきた。窓の外に広がる雪景色は美しかったが、とにかく寒い。朝起きるのがつらいし、日中も暖房をつけていないと部屋の中にいても凍えるほど寒かった。
縁側を歩いていると突き刺さるような風が吹きつけてきて、身震いする。床板を踏みしめるたびにひやりとした冷たさが足の裏に伝わってきた。
もうすぐ年の瀬も近い。そろそろ連隊戦が始まるだろうし、昨年と同じく、きっとまた慌ただしくなるのだろう。そんなことを考え、身を竦ませながら足早に歩いていると、横から声をかけられた。
「主」
足を止めて声の方を見やれば、手招きする山姥切国広の姿があった。どうしたのだろうと首を傾げて近寄っていくと、「これを使うといいい」と彼が肩に羽織っていた白い布を私に差し出してきた。
寒さに震えていることに気づいてくれたらしい。その優しい心遣いが嬉しくて、礼だけはしっかり言う。
「ありがとうございます。でも、大丈夫です。ちゃんと防寒していますので」
しかし、彼は無言のまま私の肩に布をかけようとするのをやめなかった。仕方がないので、ありがたく借りることにした。布の端を持ち、体に巻きつける。そして、あることに気づいて思わず彼の顔を見た。
「これは……! 裏起毛ですね……!」
「ああ。温かいだろう? 山姥切国広の間で有名な布店から取り寄せたんだ」
「すごい、そんな店があるんですね。とっても温かいです」
改めて礼を言うと「よかった」そう言って、彼は微笑んだ。