抱き寄せる
「俺があんたを抱きしめたいと言ったら、どう思う?」
縁側で休憩に日向ぼっこをしながら、世間話に興じていた時のことだ。唐突にそんなことを言われ、審神者は目を丸くした。
「それは、どういう意味でしょう?」聞き返せば、山姥切は真剣な眼差しでこちらを見つめた。「言葉どおりの意味だ」
手がそろりと伸びてきて、審神者の手首をつかむ。ぐいと引き寄せられ体勢を崩した審神者は山姥切の胸に倒れ込んだ。慌てて離れようとするが背中に回された腕がそれを許さなかった。
「……俺にこうされることを、あんたはどう思う?」
耳許に寄せられた唇から低い声が響いた。山姥切の鼓動が聞こえる。審神者はその音になぜか安心感を覚えた。山姥切にぎゅうと強く抱きしめられる。彼の体温と匂いに包まれ、顔に熱が集まった。審神者は困りながらも正直な気持ちを告げた。
「……どきどきします」
「不快ではないんだな? なら、もう少しこのままでも構わないか」
頷けば、山姥切は審神者を抱く手に力をこめた。