着ぐるみ
最近、夜になると怪しい影が邸内をうろつくらしい。刀剣男士たちからの報告を纏めたところ、それは大きくてもふもふしているという。ある短刀は「あの景趣の……大きなこんのすけに似ているような気がしました……」と言った。確かにあのこんのすけは片足を可愛らしくあげてポーズをとることがあるが、歩き回るなんてまさかそんなはずはない。そう笑って流していたのだが、目撃情報は後を絶たない。その影は刀剣男士の生活区域によく現れるようで、彼らはそれを警戒していたが、今のところ被害は出ていないという。
「私は見たことないんですよね……」
「俺は厨でそれっぽいのを見たよ」
近侍の蛍丸が口を開いた。
「冷蔵庫を漁ってた。冷蔵庫の中の光でぼんやりと姿が見えたけど、やっぱり大きいこんのすけだったと思う。嫌な感じはしなかったよ」
「お腹がすいてたんでしょうか」
「そうかも」
蛍丸はたいして気にした様子もなく、のんきな様子だった。私は少し不安だったが、彼が「大丈夫だよ」と言うのだから、きっとそうなのだろう。
「油揚げを用意しておいたほうがいいのでしょうか」
「そんな気を遣わなくてもいいと思うよ。ねえ、そんなことより早く俺たちもおやつ食べに行こうよ。俺、この前万屋街で買ったどら焼きが食べたいなぁ」