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2024年11月18日(月) 11:18:56〔1年以上前〕 更新

■全年9月12日[1件] ( 1

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No.25 by Icon of admin みやこ 〔2年以上前〕

■審神者の推し活
【アヘ顔/ファンサービス/距離感】の別ver。健全。#姥さに のつもりだったけど、山姥切の名前出てきません。
 どこかの本丸でアイドルをしている#豊前江 が出てきますが喋りません。



 最近、主はとあるアイドルグループの豊前江に夢中である。今日も今日とて大広間の大型端末の前を陣取って、ライブ映像を流しつつペンライトを振っている。
「キャー、豊前くんかっこいい~! 最&高~! アイドルしてる~!」
 今日も今日とて、主は興奮しきった様子で、うっとりと目を細めている。俺はそんな主の正面に回り込んで、ぐっと顔を近付けた。
「……そんなにいいか? その、豊前江が」
「えっ……あ、う、うん! いいよ! すっごく!」
 途端主は顔を赤くして目を逸らすと、端末の映像に意識を向けた。そしてまた、「ンギャー!」と奇声を上げる。普段の落ち着きはどこへやら、すっかり語彙力が消失してしまっている。
「うちの本丸の豊前江と何が違うんだ?」
 我が本丸にいる豊前江は、主が特に熱を上げて応援しているアイドルグループ・江の刀たちと同じ姿形だ。何がここまで主の心を惹き付けるのか、俺には見当がつかなかった。
 主はペンライトを振り回しながら、「そりゃ全然違うよ!」と食い気味に答えた。
「まず、うちの豊前はアイドルじゃないでしょ」
「まあ、それはそうだが」
 わかりきったことだけ言うと、彼女はまた画面に視線を戻した。そして、うっとりと目を細める。
「画面の中の豊前くんは、本当にかっこいいの。キラキラしてるの。……あっ、豊前くんがこっち見た! 手振ってくれた! 好きー!」
「はいはい」
 ライブ映像の彼が主に手を振るわけがないのに、彼女は興奮気味にそう叫んだ。そしてまた、ペンライトをぶんぶん振っている。
「うちの豊前江だって、あんたに手くらい振るだろう」
「まあ、それはそうだけど」
 主はペンライトを畳の上に置くと、端末の画面に映る豊前江を指差した。
「でも、やっぱり違うんだよ。私、うちの豊前にウインクされてもどうもならないけど、豊前くんがこっち見て笑いかけてくれたら心臓が止まっちゃうかもしれない」
「……大袈裟な」
「大袈裟じゃないよ!」
 主はくわっと目を見開くと、俺の肩を掴んで激しく前後に揺さぶった。
「豊前くんは、私の推しなの! アイドルなの! 推しに微笑まれて、意識を保っていられるわけがないでしょ!? わかる!?」
「わ、わかった! 落ち着け!」
 俺は慌てて主の手を振り払い、距離を取った。主はぜえはあと肩で息をしている。そのまましばらく無言で息を整えていたが、画面から流れる音楽が変わると、興奮しきった様子で「キャー!」と声を上げた。
「は~、もう無理! 好き! 世界で一番好き!」
 それから彼女は、俺の存在など忘れたようにアイドルの豊前江に夢中になった。ペンライトを振って声援を送り、合間に入るファンサでは歓喜のあまり悲鳴を上げて畳の上を転げ回る。画面の中の彼によるウインクを目の当たりにした主は、先の宣言通り失神した。俗にいう、アヘ顔である。
 俺は呆れてため息をつくと、座布団に頭を預けて気を失った主を見下ろした。
「……まあ、あんたが幸せならいいんだが」
 主は失神したままぴくりとも動かないが、端末から流れる歌声と映像は止まらない。
 その後、主が意識を取り戻すまで、俺は延々と流れ続けるライブ映像に付き合い続けた。

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