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2024年11月18日(月) 11:18:56〔1年以上前〕 更新
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2023/09/28 (Thu) 12:12:22 No.26 by みやこ 〔2年以上前〕
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山城国の本丸のシリーズ。視線を感じるという審神者に刀剣男士たちは…。オチが思いつかなかったので尻切れトンボ。お題は「のぞき穴」。
今まで特に説明書きしませんでしたが、刀剣男士がわちゃわちゃしてる系は大体山城国の同じ本丸のことが多いです。シリーズの方も早く男士増やしていきたい。
最近、執務室にいると誰かの視線を感じるんですよ。
眉を下げながら審神者が告げる。その口調に怖がっている様子はなかったが、それでもどこか落ち着かない感じだった。「自意識過剰かもしれませんね」困ったように笑う彼女に山姥切国広は無言で首を横に振った。慎重な彼女は不用意なことを口にしないし、そんな風に感じるような出来事があっても決して他人には言わないだろう。そんな彼女が思わず言葉にしてしまうほど、その視線は無視できないものだったのだ。
「今日も一日ありがとうございました。明日もよろしくお願いします」
一通り業務を終えた審神者が、現世にある家に帰宅するためゲートへと向かう。その背を見送り、山姥切は小さくため息をついた。審神者がいなくなると本丸は少し静かになる。みんなが休むための支度を始めるからだ。
だが、今日は違う。山姥切は踵を返し、広間に向かった。そこには本丸の刀剣男士たちが集まっているはずだった。山姥切は障子の前で足を止める。室内からは楽しげな話し声が聞こえてきたが、障子を開けた途端ぴたりと止まった。山姥切はそのまま部屋に上がり込み腰をおろす。そして部屋にいた者全員を見渡した。
「集まってもらったのは、聞きたいことがあったからだ」
しんと静まり返った部屋の中、皆の視線を受けながら単刀直入に切り出した。刀剣たちはお互いに顔をみあわせながら困惑気味な表情をしている。
「この中に主を覗き見ているやつはいるか? 正直に答えてくれ」
その問いに対して誰も何も答えない。山姥切は黙って周囲の出方をうかがった。静かな時間が流れる中、薬研藤四郎が腕組みしながら口を開いた。
「それは一体どういうことだ? 俺たちを疑っているということか?」
彼は落ち着いた声でそう尋ねる。短刀でありながら他の刀たちと変わらない冷静さを持っていた。だがその目は笑っていない。彼の隣にいる小夜左文字もまた無言で山姥切を見つめていた。
「そういうわけじゃない。一応、確認をしておきたかっただけだ。……誰かが主のことを心配して見守っていた、という可能性もなくはないしな」
独り言のように呟く。その言葉を聞き逃さなかった何人かの視線を感じた。「何があったんだ?」薬研がさらに問う。山姥切は一度目を伏せて息を吐いた。
「ここ数日、執務室にいると視線を感じるらしい。主は初めは気のせいだと思っていたみたいなんだが、日が経つにつれてそれが気になってきたようでな。あの人が口にするくらいだから、よっぽどなんだろう」
「……ストーカーがいるかもしれないってこと?」乱藤四郎が恐る恐るといった様子で尋ねた。「すとぉかぁ……?」言葉の意味がわからないのか首を傾げる愛染国俊に厚藤四郎が説明する。「まあ、簡単に言えば主に付きまとい行為をするようなやつのことだ」すると納得したように「なるほどなー」と言ってうんうんとうなずいていた。
「でもさぁ、そんな怪しいヤツ、本丸で見た? 俺は見たことないけど」
加州清光の疑問に皆一様に首を横に振った。「僕もです」と堀川国広が同意するように口を開くと「俺も」「私もです」とさざ波のように続いた。「だいたい、そんなの居たら斬っちゃうよね」髭切がにっこり微笑みながら不穏なことをさらっと言う。山姥切は一瞬ぎょっとしたが、他の刀剣たちは慣れた様子でそうだねとうなずいていた。
「……念のため聞いておきますけど、鶴丸国永、あなた何か企んでたりします?」
今まで黙っていた宗三左文字がふと口を開いた。名指しされた彼はきょとんとした顔を浮かべる。
「いや? 特に何も考えてないが……って、俺がそういう驚きは嫌いだって知ってるだろう? 驚かすなら喜ばせないとな! まったく君というやつは俺を何だと思っているんだ……」
ぶつくさ文句を言う鶴丸に「念のためですよ、念のため」と悪びれることもなく言い放つ。本当に疑っているわけではないようで、宗三はあっさりと会話を切り上げた。山姥切はちらりと宗三を見たあと視線を戻した。この男はどうにも読めないところがある。いつも何を考えているのかわかりにくい。
「……で? 結局、どうするんだ?」
そう問いかけてきたのは同田貫正国だった。山姥切は考え込むように腕を組む。
「本丸の警備を強化しましょうか?」
手を挙げて提案するのは前田藤四郎だ。審神者のことを心の底から案じているようであり、その瞳には使命感が宿っている。「それが一番かもしれないな」山姥切がうなずくと、「じゃあ、私は本丸の結界を確認してこようかな」と石切丸が立ち上がった。「私も行きましょう」太郎太刀も彼に続く。
「ぼくはしつむしつにいって、へんなものがないか、かくにんしてきます!」今剣がぴょんと飛び跳ねて広間を出ていった。その後を数振りの仲間が追いかけていく。
「……なあ、万が一不審者がいたとして、見つけたらどうすんだ?」
我関せずの態度だった肥前忠広が面倒そうに口を開く。
「生け捕りにするのがいいんじゃないかね」
眼鏡を押し上げながら南海太郎朝尊が発言する。その目は獲物を狙うように鋭く細められていた。彼の隣では陸奥守吉行が腕を組んでうなずいている。「万が一、居たらの話だけどな」同田貫正国が釘をさすように言う。だがそれはどこか楽しげでもあった。
「捕まえた後、どうするんですか?」
平野藤四郎が尋ねる。すると「政府に突き出すか?」と御手杵が首を傾げた。それには山姥切も同意するように一度小さくうなずいてみせる。「そうするのが妥当だろう」と。
そうして話がまとまると、彼らはそれぞれの役目を果たすべく広間を出て行った。
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